武装錬金ピリオド 「もっと愛を込めて!!」

最近の漫画の中では一番好きな作品でした。


それだけだけに読み終えた後は感慨深かったです。


対比表現が多かった作品ですけど、それが顕著だった今回。
以前の描写と対比させる事によって、
連載時からいかに登場人物が変わり成長したか?
というのがよりハッキリ分かる。この辺は本当に巧い。
この60Pで西山君関連以外の伏線をほぼ全て回収して、
なおかつお話として纏まっているというのは素直に褒めて良いんじゃないかと。
詰め込み過ぎでややダイジェストな感が否めない、というのも確かにあるんですが
それを差し引いても和月先生のネーム構成力は見事だと思います。
赤マルの他の連載が霞んで見える。というか新人もっと頑張れ。


あんまりダラダラ書くのもアレなので主役3人に焦点を絞りました


●カズキとトキコ
シルバースキンでカズキを迎えにいくシーンは
何というかエターナルウインド微笑みは光る風の中。
一心同体の意味するモノが死ぬ方向から生きる方向に変わっているのもいいね。
再殺編以降のこの二人はあんまり好きじゃなかったんですけど
それでもこの二人が幸せな結末を迎えたことは本当に良かった。
ゴータ男泣きも蝶切ない。またいい恋をしてくれゴータ。お前はいい奴だ。


●パピ!ヨン!
カズキとの決着がFADETOBLACKを踏まえた構成
(台詞無しの墨絵、決着は旧サンライトハートによるショートランス)
というのがまたニクいっすねぇ。


蝶人パピヨンとして皆の人気者となったパピヨン
黒死の蝶で家族の誰からも認識されなかった攻爵(次郎サン♥)
との対比描写だと気付いた時はもう脱帽。


カズキの「お前の本当の名前〜」は、
謝るなよ偽善者云々の以前のシーンを踏まえてのものかな。
ホムンクルス精製による殺人の罪が償われた訳じゃないんだから
パピヨンは殺さないと駄目だろ、という気持ちもあるにはあるけど
以前と同じ結末(パピヨン殺害)を選んで
その描写を超えるシーンを描く事ができたのか?
というと正直疑問だし、これはもう仕方無い。


何よりこれだけ濃いキャラが死んで終わり、というのも惜しい。
パピヨン、この漫画の主人公はお前だ。蝶サイコー