機動戦士ガンダム00 最終話「刹那」まで

今更だねー
思いの他長文になってしまったので要点をピンポイントに(できればいいな)



●スローネ組
それまで憎まれ役だった彼らに愛着が沸いてしまうような
きょうだい和気藹々なシーンが描かれた時点でクサイとは思っていたけど、
しかし実際にその時が来ると随分あっけなく退場しちゃうもんだねえ...
長男なんか素直過ぎて逆に腹黒い一面があるかと思ったのに
そんな事は全く無かった上にかませ犬街道まっしぐらの末あっさり死ぬし、
次男なんか何のドラマも与えられずにもっとあっさり死んじゃうし…


新しくなったOPでこれ見よがしに大物の敵オーラを放っていたもんだから
てっきりラスボスに近いポジションの敵になるかと思ってたんだけど、
実際に見直してみるとプトレマイオス側の4機が最後に対峙しているのは
ファング(を操るツヴァイ=ひろし、あるいはアルヴァトーレ)だけだったりする罠
ちくしょうだまされたぜ


スローネ組の登場当初に期待していた
ソレスタルビーイング真の目的の体現者」的役割は
もう自分の検討違いもいい所だったけど、
物語を劇的に動かす為の原動力と
主人公達の行動を客観的に省みる為の役割は
きっちりと果たして逝ってくれたんじゃないだろうか
後は残る釘宮が二期目でサジ・ルイスとどんなドラマを見せてくれるのか?かな



●日常組
後半のサジ達の「主人公勢の理念の被害者」という立ち位置は
種死のシン(の初期設定)に近いものがある
製作者側の露骨なキャラひいきで役割を果たす事ができなかったシンに代わって
当時見たかった場面を彼らが代わりに見せてくれるかもしれない、という期待は強い
まあ何にせよ、実際に第二シーズンが始まらないと何とも言えないわけですが



●ひろし
粒子残量三割でファングも尽きたツヴァイで万全なエクシアを圧倒する辺り、
刹那が未熟なパイロットである事を差し引いても
ひろしの技量が相当なものである事が改めて窺える
作中最強パイロットの座は彼とハム、あとは超兵アレハレ辺りが争う事になるんだろうか
(でもエクシアトランザム発動後ひろしにきっちりトドメを差していれば
最終局面であそこまで自体が悪化する事は無かったんだよね…
この辺りの言い訳は作中でしっかりやって欲しかった)


戦果だけ見ればコラ沢も相当なもの、
というかおそらくトップ(ロックオンに致命傷を与えティエリアと相打ち)なんだろうけど
奴の場合は悪運の強さに拠るところが大きいというか、何をやってもギャグになってしまうからなあ…
たとえるなら、100tハンマーに圧殺されたり大気圏外で星になっても
次のコマでケロっとしている様なギャグ漫画補正持ちのキャラが
シリアスバトル漫画に乱入して主要キャラ数人を屠ってしまった様な感じ?
コラ沢のバカさ加減は嫌いじゃないので
彼にはいつまでも大佐と幸せに漫才やっていて欲しいと思う


話をひろしに戻すと、やっぱり声優さんのパワーは尋常じゃないな、と
「ファング!」「右が見えてねえじゃねえかよ!」
なんて特に珍しいとも言えない台詞を
あそこまで下品に叫べるのはやっぱりすげーとしか言い様が無い
ガンダムって作品の中でこうガチガチの完全な悪役ポジションのキャラは賛否分かれるかもしれないけど
だからこそ主人公勢に「同じ穴のムジナ」と言い放つ意義がある訳だし、
何よりもこのレベルの怪演を見せられるともうそんなこたあもうどうでも良くなるね
やっぱりひろしはすごい



●アレハレ中華
かつて任務遂行が第一だった超兵も
最後には任務よりも中佐の救助を優先した―
と、おとうさんの愛情がしっかり娘にも伝わっていて安心したよ


正直この二人に対するほのぼの親子ってイメージは
ネット上の二次創作に植えつけられた感が強いんだけど、
キャラ設定的に言ってやっぱりこういう絵は実際に公式に見てみたかった訳で、
その念願も最終回でようやく叶って感慨もひとしお


一時期マイスターの輪からハブラレルヤ状態だったアレルヤだけど、
これはアレルヤと超兵関連のドラマが彼らの中で完成・完結し過ぎていて
関係無い他のイベントに絡み辛かったから、という理由も大きかったんじゃないかと思う
作中では養成機関を1話であっさり壊滅させたり、
かなりのスピードでイベントを消化させてはいたけど
正直この超兵関連はこれだけでガンダム1シリーズ作れる
…は言いすぎにしても、それ位には話を広げやすいおいしいネタだと個人的には思う
マリー(ピーリス)云々といったハレルヤ個人の過去とこれから先に関しては
イベントが丸々残っているし、ハレルヤもまだまだこれからだ



●これであなたの元へ…ロックオン
アッー!
どうしてストレートにティエリアを女の子にしなかったのか理解に苦しみます
フェルトの恋のライバルがティエリアって完全にギャグじゃねーか!


刹那・ロックオンに関する過去はほぼ全て明らかになり
アレハレも残すはマリー(ソーマ)との過去と確執のみ、と
マイスター勢が一期目で順調にイベントを消化したのに対して
ティエリアヴェーダにアクセスできる生体端末らしい、
という推測が立てられる事以外は詳らかにされていない要素の方が多い


同じ分割4クール方式を取っているギアス1期目のあの終わり方に比べれば
このダブルオー一期目は遥かに綺麗に話をまとめたと思うけど、
二期目までおあずけ状態の伏線の数って結構なもんなんだよね
つくづく分割2クールとは罪作りな制作方式やで…
中だるみでクオリティ落ちるよりは確かにいいんだけどさー
早く続きを見せてよー



●金ジム
これはひどい
なんでもカラーリング派手にして羽根つけりゃいいってもんじゃねーぞw
しかしこの絶望的なまでのセンスの無さが
逆にアレハンドロの小物キャラと妙にマッチしているから困るwww
ちなみにこの羽根付きの金ピカジム、
正式名称は「アルヴァアロン」というそうです
…ジムでいいじゃん


アレハンドロといえばマイエンジェルアムロさん
ソレスタルビーイングには戦争根絶以外に真の目的がある」
という事がほのめかされた時点で
彼はイオリアの思想を体現すべく動いている生体端末の一人で
そのためにアレハンドロの行動を影からコントロールしているキャラだな!
〜と勝手に想像していたんだが、
アレハンドロがコールドスリープ中のイオリアを射殺する手引きを躊躇無く行っていた上に
その後のトランザム発動にも全く想定外といった様子だったので
これはギアスのパンダ卿と一緒で
何もかも知っている様に見せかけて実は全然そんなことはありませんでしたキャラだな!
と予想を変更
しかし結局はアレハンドロを裏から操っていた事は変わらず、と
自分の中の予想が二転三転する面白いキャラだった
二期目でもこの調子でいい意味で自分の中の期待を裏切ってくれるキャラであって欲しい



●「この気持ち…まさしく愛だ!」「愛ぃ?!」
せっちゃんドン引きしててわろたw


しかしヒロシとロックオンのタイマンに割り込んだダリルといい
まったくフラッグファイターは揃いも揃って空気読めてないなー
しかもトランザム後でヘロヘロのエクシア相手に
完勝するならまだしも相打ちになるという体たらく
阿修羅すら凌駕する存在が聞いて呆れるよ!


とはいえこのGNフラッグ、
擬似GNドライブ搭載機とはいえ劇中の描写を見る限りでは
通常時は推力、戦闘時にはビームサーベルのみに出力を回しているだけで、
モノアイをツインアイに変更する等の細かいマイナーチェンジはあっても
基本的には「ビームサーベルが使えるフラッグ」程度の機体みたいなんだよね
フラッグとガンダムの性能差を考えれば
相打ちという結果でも大金星と言っていい戦果なんだろう


とはいえハムさんはそれ以前から圧倒的なスペック差がありながら
ガンダム相手に互角以上の戦いを見せてくれたものだから
ガンダムを倒し得る機体を得た今こそ
これまで以上の戦いと結果を見せてくれるはず!
という期待を自分の中で勝手に膨らませてしまったのがいけなかった


戦いの内容自体は同じガンダムを愛する者同士でありながら
世界の行く末よりも愛情や復讐といった己の願望を優先させるグラハムと
それを歪みだと否定する刹那との対決、と
これまでのグラハムの変態的に素敵な言動を
作品そのもののテーマと合致させた見事なものだったんだけどねー
グラハムのスペシャルな活躍をもうちょっと自分の願望に沿った形で見たかった、
というのが正直なところかな
まあでも相変わらずハムさんが変態で面白かった



●二年後
チャイナおっぱいは本当に最初だけだったねー
「チャイナを脱いだ時点であなたの負けは決まっていたのです!」
とは本当によく言ったものだ


さて、死亡を思わせる描写のあった国連側キャラはほぼ全員が生存確定、と
もうちょっと引っ張った方がいいんじゃねーの?と思ってしまう程のサービスぶり
ハムさんの仮面は既存シリーズの西洋的なものではなくて
日本の鎧兜につけるものに近いデザインだから新鮮ではあるんだが
変態ぶりがさらに増した気がするw


一期目のガンダム(というよりもダブルオーのメカ全般)は
カトキ・フルメタ的な、イマドキのリアルロボットチックなプロポーションだったけど、
ダブルオーガンダムは打って変わって、より平成ガンダム寄りなデザインという印象を受けた
ガンダム口と胸に黄色いダクトを付けると何でもそれっぽく見えてしまうんだろうか?w
オーガンダムの名前が明らかになった時点で
その後継機として名前は容易に想像できた機体だけど、
実際に目にすると余計動いている所が見たくなるな


最後まで地味だけど堅実にまとめられたいい作品、
という自分の中の評価は特に変わらなかったけど
(それでも終盤はかなり盛り上がりましたが)、
このテの作劇が嫌いという事は全く無いので二期目もおおいに期待しています
と無難な感想で〆