よみがえる空 最終話感想

本郷さんが内田に操縦を託し、
自分の過去「よみがえる空」を語るシーンで
本郷さんに完全にではないにしろ認められる程に
内田が成長できた事を示す。


それに加えてロープウェイで
内田と出会った家出少年が救難隊を志すと宣言する事で
本郷から内田だけでなく、内田から家出少年へ
クサイ言い方ですが「魂が受け継がれる」
地味ながらも熱い演出。


題材である救難に終わりが無いのと同じく、
このアニメも俺たちの救難・成長はこれからだ!
エンドでしたが、なかなかいい終わり方だったのではないかと。


以下は詳細感想という名の蛇足。


・登山パーティは結局部長のみ何とか生還。
彼が救助された際に
既に死亡している後輩を気にかける姿が痛々しかった。


要救助者の家族だけでなく、
命を懸けて救難に臨む隊員の家族らが
自分たちの息子の身を案ずるシーンも丁寧な描写。
親は大切にしないといかんですね。



・死亡したパーティの家族を「いい絵」で録ろうとする
サングラスのいかにも「悪そう」な風貌のカメラマン達や、
遭難したパーティをボロクソに貶すワイドショー。


震災の際にマスコミのヘリの音で
救助を求める声が聞こえない等、
マスコミが救難において邪魔となる場面が
現実においても結構あるみたいですけど、
このアニメでもマスコミはいいイメージで描かれていない印象。


最初から雪山になぞ登るな、という一点のみは
ワイドショーの意見に全面的に同意しちゃいますけど、
死者や生還者を責めるのは確かに酷かな。



・「お前は本当に操縦がヘタだな…」
畜生!
一瞬本郷さんが死んじまったと思っちゃったじゃないか!
ユーハブコントロール、アイハブコントロール
のシーンはグッときました。


つーかあっちゃん可愛ええ。
本郷さん、娘さんが大きくなったら俺にくれ



・総評
1話で挫折せず観続けて良かった。
特に冒頭の内田が挫折する事件や、
ひょっこりひょうたん島と絡めた事件は身が震える面白さでした。
その分、その後のロープウェイや雪山における救難の
インパクトが薄くなってしまったのは少々残念でしたが。


地味かつ派手さは無いのに、それが良かった・面白かった。
こういったつくりの作品をこの先もたまにでいいから観てみたい、
そんな風に思わせてくれる良質のアニメでした。